El Tigre - The rebirth of a neglected 2003 Suzuki GS250 Thunder

El Tigre - The rebirth of a neglected 2003 Suzuki GS250 Thunder

エル・ティグレ — 打ち捨てられた2003年型スズキGS250サンダーの復活
デウスバリ インドネシア

先日、バリ島に長く住んでいるある人が、古い2003年製のスズキGS250ccを買い、デウスに持ち込んできた。サンダーと呼ばれていたこのバイクは、時の流れに逆らうことができず、何者かに放置されてしまったせいで、醜いアヒルの子に姿を変えられてしまっていた。かつては素晴らしく従順な走りを見せていたにもかかわらず、残念なことに、それはかなり惨めな状態になっていた。

スズキのサンダー250は、インドネシアでは改造バイクのベースとなるバイク。1999年にアジア市場限定で発売されたスポーツツーリングモデルで、スズキが「ツイン・スワール・コンバスチョン・チャンバー」(TSCC)と呼ぶ燃焼室を搭載している。TSCCとは、燃焼室内の空気と燃料を霧状にして二重回転させることで、より早く、より完全な燃焼を実現するシステムだ。また、単気筒エンジンは4バルブ(吸気2、排気2)で、最高出力22ps/7500rpmを発生することができた。でも、2004年に発売された弟分の125ccの性能の低さ、日本円の為替レートが上がったことにより、経済的に続行が厳しくなったのか、2005年に完全生産終了となってしまった。

占い師が水晶玉をのぞくように未来に目を向け、オーナーのジョン・ルカと何度か話し合いをした後、私たちは、伝統的な真っ直ぐなやり方で改造に挑むことを決意。フォーカスを置いたのは、乗るにも見るにも過激すぎないデザインで、見た目もスタイルもクラシックな英国製バイクが好きなジョンは、私たちがタンクの話をしていた時も、ただ一言「トライアンフみたいなやつがいい」と発言しただけだった。

私たちは、そのバイクのライダーのことを考えてバイクを作る。今回は、ライダーであるジョン・ルカが小柄なため、私たちが作るバイクは小さくてコンパクトなものになるだろうということは事前にわかっていた。何度かミーティングを重ねていくうちに、私たちは彼が何を望んでいるのか、そして私たちが進みたい方向性を完全に理解していった。しかし、果たして白鳥のようにおしとやかなこのバイクでそれが達成できるのかは未知の世界だ。

ベンケルボーイズ (デウス バリのメカニック 整備士達)には、ボルトを外したり切り落としたりした部品が詰まった大きなダンボールがいまだに置かれている。箱の中にあるのは、リアエンド全体、サブフレーム、スイングアーム、シート、タンク、バー、電気系統、その他いろいろ。その他いろいろというよりも、ガラクタいろいろと言ったほうがいいかもしれない。

我らがベンケルボーイズは、私たちのあらゆる要望を実現するため、手間のかかる作業を開始した。タンク、サイドカバー、フェンダーは、すべて新しいアルミ板を使って丁寧に作成。新しいサブフレームは、曲げたり、切ったり、ねじったりして、ちょうどいい形状になるように細かく調節。そしてその間に、エンジンは完全に分解され、ベーパーブラスト装置にかけられた。その仕上がりが最高すぎて、私たちはそれをほとんどそのまま活かすことに。ハイポリッシュ仕上げにするために、クランクケースの両側だけをバフ掛けすることにした。

私たちは、オリジナルのスイングアームを調達し、調整可能なアンサー・ガスのリアショックを購入。そして更に、アフターマーケットのリアディスクブレーキが追加された。17インチのロッシのリム、バック350とフロント300は、ステンレスのスポークが組まれていて、それぞれ140/80130/80のシンコーのトレイルマスターE705を装着している。

トラッカーバーに装着されているのは、XSRのスイッチ、オリジナルのアルミダイキャストレバー、そしてハリケーンのグリップ。メーターは、スピードはそれほど重要ではないので、回転数を追うために、小なデイトナのタコメーターが付けられている。そして、排気口が2つあるということは、パイプも2本あるということ。ボーイズはステンレス製のヘッダーとアフターマーケットのサイレンサーを組み合わせたセットを作り上げた。エンジンは32mmPWK製キャブレターでしっかりと給気される。シートに関しては、乗り心地の良さを追求するため、発泡スチロールを削り、それをなめした牛革で包んだ。軽くワックスをかけることで、このバイクの胴体部分に温かみと深みを加えている。

デウス・インドネシアの新しいトレードマークは、ブレーキライトだ。今回もココさんにお願いして、リアフェンダーにぴったりと装着できる自然な形の合金板を作ってもらった。まるで鋳造されたような見た目で、あらゆるカスタムバイクの優れたポイントになる。さらに、夜でも明るく見やすいように、7インチのデイメーカーを前方に装着。そして、ポッシュの71タイプのインジケーターランプのおかげで、ジョンが進みたい方向が他の人にもわかるようになる。

塗装は、グレーメタリックをベースカラーに、膝があたる部分を光沢のあるポリッシュ仕上げにした。サイドカバーにはゴールドのピンラインと「デウス・スペシャル」の文字のディテールを追加してさらに装飾。酸エッチング法でくっきりと描かれたバッジは、製作、塗装、研磨を経て、最終的に丸みを帯びた形になり、タンクの前方の膨らみを覆うように装着され、最高の見栄えになった。新しい部品のリストは、最終的に読むのに疲れ果ててしまうほど長くなったが、その中に目立ったアイテムはなかった。つまり、この素晴らしいカスタムバイクは、全ての部品が組み合わさり一体化することで作られているのだ。

先週、私たちはジョン・ルカに、既に自分のバイクの名前を考えているのか、それとも私たちに頭をしぼって名前を考えて欲しいかを尋ねた。彼から返ってきた答えは「エル・ティグレ」
その瞬間から、バイクはスペイン語で「虎」と呼ばれるようになった。

このブログを書きながら私がネットで検索してみたところ、「ティグレ」とはスペイン語圏のスラングで、世渡り上手、賢者、クールガイを意味するらしい。ジョン・ルカが果たしてそれを知っていたかはわからない。でも、一つだけ確かなことがある。それは、彼がこのバイクで街を走っている姿を見れば、誰もがその姿に魅了されるということだ。